ひとめぼれ

それは突然やってきた。
白いムクムクの小さなその物体・・・。
少なくとも生後1年を迎えたウシくんよりも小さく見えた小さな仔猫。
これがチビ太との出会いだった。

我家の周りには、沢山のニャンコがいる。
中には、野良猫なのか 飼い猫なのか分からないコも居るけれど ^^;

そのご近所ネコの中に、私たちが爺ネコと呼ぶ猫がいた。
爺ネコは、白地に黒斑のネコ。
鈴付きの首輪が彼のトレードマーク。
彼が庭先を通る度に チリチリと鈴の音がするのだ。
・・・否。 鈴の音などと可愛い表現で収まるだろうか?
爺ネコは 必ず首を振りながら歩くという彼独特の癖があった。

そして、その日がやってきた。
爺ネコについて、白い仔猫が我家にやってきたのだ。
小さな顔に、不釣合いな程の 大きな耳と 大きな目。ピンクの鼻面。
愛くるしいその容姿に、私たちは手放しで「可愛い」と騒いだ。
勿論、どこかで大事に飼われている 帰る家がある仔猫だろうと思っていたから、
抱いたり触ったりという事はしなかった。

のだが・・・。 次の日になっても、翌々日になっても、
その白い小さな猫は 我家から出て行こうとはしなかった。

それどころか、母が庭に出ると 母の後をついて回り、
母が家の中に入れば 台所への入り口の側に置いてある棚の上に座って
必死に家の中を覗き込む・・・。
どうも彼は、私の母にヒトメボレしてしまったらしかった。

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